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《はーです》 初代ゆるべろす 編集 (2024年01月09日 12時21分)評価






      冥界







   
 

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【131】

源氏物語   編集  評価

初代ゆるべろす (2024年05月28日 12時00分)




源氏物語「桐壺(光源氏の誕生)」


父の大納言は亡くなりて、母北の方なむいにしへの人の由(よし)あるにて、親うち具し、さしあたりて世のおぼえはなやかなる御方々にもいたう劣らず、何ごとの儀式をももてなし給ひけれど、とりたててはかばかしき後ろ見しなければ、事ある時は、なほより所なく心細げなり。

(桐壺更衣の)父親の大納言は亡くなって、母親の北の方は古風な人で教養もある人であって、両親がそろっていて、現在世間の評判が華やかな方々にもたいして劣っておらず、どんな(宮中)行事をもとり行いなさったが、これといったきちんとした後ろ盾がいないので、何かある時は、やはり頼るあてがなく心細そうである。

 
【130】

源氏物語   編集  評価

初代ゆるべろす (2024年05月28日 11時59分)




源氏物語「桐壺(光源氏の誕生)」


唐土(もろこし)にも、かかる事の起こりにこそ、世も乱れ悪(あ)しかりけれと、やうやう天(あめ)の下にも、あぢきなう人のもてなやみぐさになりて、楊貴妃(やうきひ)の例もひき出(い)でつべくなりゆくに、いとはしたなきこと多かれど、かたじけなき御(み)心ばへのたぐひなきを頼みにてまじらひ給ふ。

中国でも、このようなこと(=女性問題)が原因で、世の中も乱れひどいことになったのだと、次第に世間でも、不快で人々の悩みの種になって、楊貴妃の例も引き合いに出しかねないようになっていくので、(桐壺更衣は)たいそういたたまれない(思いをする)ことが多いが、(帝の)恐れ多いお気持ちのまたとないことを頼りにして宮仕えをしていらっしゃる。

  
【129】

源氏物語   編集  評価

初代ゆるべろす (2024年05月28日 11時58分)



源氏物語「桐壺(光源氏の誕生)」


上達部、上人(うへびと)などもあいなく目をそばめつつ、いとまばゆき人の御おぼえなり。

公卿や、殿上人なども困ったことだと目をそむけて、まったく見ていられないご寵愛ぶりである。

 
【128】

源氏物語   編集  評価

初代ゆるべろす (2024年05月28日 11時57分)




源氏物語「桐壺(光源氏の誕生)」


朝夕の宮仕へにつけても、人の心をのみ動かし、恨みを負ふつもりにやありけん、いとあつしくなりゆき、もの心細げに里がちなるを、いよいよあかずあはれなるものに思ほして、人のそしりをもえ憚(はばか)らせ給はず、世の例(ためし)にもなりぬべき御もてなしなり。

(桐壺更衣は)朝夕の宮仕えにつけても、ほかの人〔=他の女御や更衣〕の心を刺激してばかりで、恨みを受けることが積もったからであろうか、たいそう病弱になっていき、なんとなく心細そうな様子で実家にこもりがちになるので、(帝は)ますますきわめて不憫なものとお思いになって、人の非難も気兼ねなさることができず、世間の語り草にきっとなるだろうご待遇である。

 
【127】

源氏物語   編集  評価

初代ゆるべろす (2024年05月28日 11時56分)




源氏物語「桐壺(光源氏の誕生)」


同じほど、それより下(げらふ)の更衣たちはまして安からず。

同じ身分、それより低い身分の更衣たちはまして心穏やかではない。

 
【126】

源氏物語   編集  評価

初代ゆるべろす (2024年05月28日 11時54分)



源氏物語「桐壺(光源氏の誕生)」


はじめより我はと思ひあがり給へる御方々、めざましきものにおとしめそねみ給ふ。

はじめから自分こそは(帝の寵愛を受けるはずだ)と自負していらっしゃった御方々〔=女御たち〕は、(この寵愛を受けている女=桐壺更衣を)気にくわない者としてさげすんだり妬んだりなさる。


 
【125】

源氏物語   編集  評価

初代ゆるべろす (2024年05月28日 11時52分)



源氏物語「桐壺(光源氏の誕生)」


いづれの御時(おほんとき)にか、女御(にようご)、更衣あまたさぶらひ給(たま)ひける中に、いとやむごとなき際(きは)にはあらぬが、すぐれて時めき給ふありけり。

どの帝の御代(みよ)であっただろうか、女御や、更衣がたくさん(帝に)お仕えなさった中に、たいして重んじられる身分ではない人で、とても寵愛を受けていらっしゃる人がいた。


 
【124】

枕草子   編集  評価

初代ゆるべろす (2024年05月26日 20時55分)





雪のいと高う降りたるを

雪のいと高う降りたるを、例ならず御格子まゐりて、炭櫃に火おこして、物語などして、集まりさぶらふに、「少納言よ、香炉峰の雪、いかならむ」と仰せらるれば、御格子上げさせて、御簾を高く上げたれば、笑はせ給ふ。
人々も、「さることは知り、歌などにさへ歌へど、思ひこそよらざりつれ。なほ、この宮の人にはさべきなめり」と言ふ。


【現代語訳】

雪が大変高く降り積もっているのに、いつもと違って御格子をお下ろし申し、火鉢に火をおこして、話などをして(女房たちが)集まってお仕えしていると、(定子様が)「少納言よ。香炉峰の雪はどんなかしら」とおっしゃるので、(人に)御格子を上げさせて、御簾(みす)を高く上げたところ、(定子様は)お笑いになった。
(周りにいた他の)人々も、「そのようなこと(中国・香炉峰の雪について詠んだ漢詩のこと)は知っておりますし、歌などに詠むことまでありますが、(このように御簾を上げようとまでは※)思いつきませんでした。(あなたは)やはり、この宮(中宮の定子様)にお仕えする人としてふさわしい人のようです」と言う。

 
【123】

枕草子   編集  評価

初代ゆるべろす (2024年05月26日 20時54分)





ありがたきもの

ありがたきもの。舅にほめらるる婿。また、姑に思はるる嫁の君。毛のよく抜く銀の毛抜き。主そしらぬ従者。
つゆの癖なき。かたち心ありさますぐれ、世に経る程、いささかの疵(きず)なき。同じ所に住む人の、かたみに恥ぢかはし、いささかのひまなく用意したりと思ふが、つひに見えぬこそ難けれ。物語、集など書き写すに、本に墨つけぬ。よき草子などはいみじう心して書けど、必ずこそ汚げになるめれ。
男、女をば言はじ、女どちも、契り深くて語らふ人の、末まで仲よき人、難し。


【現代語訳】

めったにないもの。舅(しゅうと)に褒められる婿。また、姑に思われるお嫁さん。毛がよく抜ける銀の毛抜き。主人の悪口を言わない従者。
少しも癖のない(人)。容姿や性格、態度に優れており、世の中を過ごす間に、少しも欠点のない人。同じところに(宮仕えして)住む人で、互いに気兼ねし、ほんの少しの油断もなく心づかいしていると思う人が、最後まで(隙を人に)見られないということはめったにない。物語や説話集などを書き写すのに、本に墨をつけないこと。価値のある本などのときには大変注意して書くのだが、必ずと言っていいほど汚してしまうようだ。
男女の仲は当然ながら、女同士でも、縁が深くて何でも話すような人同士が、最後まで仲が良いというのもめったにない。

 
【122】

枕草子   編集  評価

初代ゆるべろす (2024年05月26日 20時53分)





うつくしきもの

うつくしきもの、瓜にかきたるちごの顔。雀の子の、ねず鳴きするに踊り来る。二つ三つばかりなるちごの、急ぎてはひ来る道に、いと小さき塵のありけるを、目ざとに見つけて、いとをかしげなる指にとらへて、大人などに見せたる、いとうつくし。かしらは尼剃ぎなるちごの、目に髪のおほへるをかきはやらで、うちかたぶきて、ものなど見たるも、うつくし。
大きにはあらぬ殿上童の、装束きたてられてありくも、うつくし。をかしげなるちごの、あからさまに抱きて遊ばしうつくしむほどに、かいつきて寝たる、いとらうたし。
雛の調度。蓮の浮葉のいとちひさきを、池より取り上げたる。葵のいと小さき。何も何も、小さきものはみなうつくし。
いみじう白く肥えたるちごの、二つばかりなるが、二藍のうすものなど、衣長にて、たすき結ひたるがはひ出でたるも、また、短きが袖がちなる着てありくも、みなうつくし。八つ九つ十ばかりなどの男児の、声はをさなげにて文読みたる、いとうつくし。
にはとりのひなの、足高に、白うをかしげに、衣短かなるさまして、ひよひよとかしがましう鳴きて、人のしりさきに立ちてありくも、をかし。また、親のともに連れて立ちて走るも、みなうつくし。
かりのこ。瑠璃の壺。


【現代語訳】

かわいらしいもの。瓜に描いてある幼い子どもの顔。すずめの子が、(人が)ねずみの鳴きまねをすると飛び跳ねてやって来る様子。2、3歳ぐらいの子どもが、急いで這(は)ってくる途中に、ほんの小さなほこりがあったのを目ざとく見つけて、とても愛らしい指でつまんで、大人などに見せている様子は大変かわいらしい。髪型を尼のように肩の辺りで切りそろえた子どもが、目に髪がかぶさっているのをかきのけることもしないで、首をかしげて物などを見ているのも、かわいらしい。
(体が)大きくはない殿上童が、美しい着物をしっかりと着せられて歩くのもかわいらしい。愛らしい子どもが、ほんの少しの間、抱いてあやしてかわいがっているうちに、(私に)抱きついて寝てしまったのも、大層愛おしい。
人形遊びの道具。蓮の浮き葉でとても小さいのを、池から取り上げたもの。葵のとても小さいもの。何でもかんでも、小さいものはみなかわいらしい。
とても色白でふっくらした子で2歳ぐらいになるのが、二藍で染めた薄い絹の着物などを、丈が長くて袖をひもで結びあげたのが這(は)って出てきたのも、また短い着物で袖だけが大きく目立っているものを着て歩いているのも、みなかわいらしい。8、9、10歳ぐらいになる男の子が、声は子どもっぽい感じで漢文の書物を読んでいるのも、とてもかわいらしい。
鶏の雛の、足が長く、白くかわいらしい様子で、丈の短い着物を着ているような様子で、ぴよぴよとやかましく鳴いて、人の後に立って歩いているのも趣がある。また親(鶏)が一緒に連れだって走っているのも、みなかわいらしい。
雁の雛や瑠璃の壺(もかわいらしい)。

 
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